東京駅・丸の内北口から地下通路で約2分。

新丸ビル地下1階にあるHopbeat Records(ホップビート・レコーズ)は、静岡・用宗の人気ブルワリーWest Coast Brewing(WCB)が2025年6月20日にオープンした東京都内初の直営拠点です。
店内に入ってまず驚くのは、その小ささ。

訪問時はカウンターとハイテーブルのみのスタンディングスタイルで、かなりミニマムな造りです。
ところが壁を見上げると、そこには大量のアナログレコード。
その横にはWCBの缶ビールがびっしり並んだ冷蔵庫。
赤と黒を基調にした内装まで含め、狭い空間の中にWCBらしい世界観がぎゅっと詰まっています。
店名の「Records」は伊達ではなく、アナログレコードを使った音楽が店の大きなテーマ。公式によれば、BGMはWCB代表のDerrek氏こだわりの選曲です。
ビールを飲む場所であり、レコードを聴く場所でもある。
東京駅の地下に、なかなか面白い店ができています。
Hopbeat RecordsはWCBの東京初直営拠点
West Coast Brewingが静岡市用宗でビールの醸造を始めたのは2019年。
その後、静岡、大阪、沖縄と直営店を広げ、2025年に東京へ本格進出。
その第1号となったのがHopbeat Recordsです。

ただし、大型のビアレストランではありません。
公式自身が「ミニマムな店舗」と表現している通り、位置づけはボトルショップ兼ビアバー。

実際、訪問してみるとかなり小さい。
それでも平日の店内には、この辺りで働いていそうな人、若いクラフトビール好き、外国人客などが次々と入ってきます。
オープンからまだそれほど年月が経っていないのに、すでに常連らしきお客さんも多い印象でした。
樽生は6TAP。冷蔵庫にはWCBの缶がずらり
Hopbeat Recordsのドラフトは6TAP。

さらに店内の大きな冷蔵庫には、WCBの缶ビールがびっしり。

「COLD BEER / FOR HERE OR TO GO」の文字通り、店で飲むだけでなくテイクアウトでも利用できます。
東京駅という立地を考えると、
新幹線に乗る前にWCBを買っていく
なんて使い方もかなり便利そうです。
ドラフトについては、グラウラーなどの容器を持参すれば量り売りにも対応しています。
メニューを見ると「樽生」とスペシャルビールの違いも分かりやすい
訪問時のメニューでは、通常の樽生はMedium/Largeの2サイズで書かれているものが中心。
一方で、バレルエイジドなどのスペシャルなビールには、100mlなど1サイズだけで提供されるものがありました。
メニューを眺めると、
「これは普通に一杯飲むビール」
「これは少量をじっくり味わうビール」
という違いが分かりやすい。
WCBはIPAだけでなく、Wild FermentationやBarrel Agingに特化した「GMT+9」も展開しているので、こうした特殊なビールを少量から試せるのは直営店ならではです。
3種飲み比べセットは2,100円
ビアフライトもあります。

訪問時は、
好きなビール3種類で2,100円。
ただし、GMT+9やスタウトなど一部の液種は75mlでの提供になります。
WCBは新作の回転が速く、スタイルも幅広いので、
「気になるものを少しずつ試したい」
という人にはありがたい仕組み。
特に高アルコールのGMT+9系をフルサイズで何種類も飲むのはなかなか大変なので、このくらいの量で試せるのは現実的です。
今回選んだのは「Crimson Pillar」
ところが今回、自分が選んだのは通常の6TAPではありませんでした。
メニューの片隅にあった、

Crimson Pillar(クリムゾン・ピラー)
です。
Style:Strawberry-infused Barrel-Aged Brett Saison
ABV:7.0%
100ml:1,800円

WCB公式のアーカイブにも、7.0%の「Strawberry-infused Barrel-Aged Brett Saison」として掲載されています。
100mlで1,800円。
なかなか高級です。
でも、普通のセゾンだと思って飲むとかなり面白い一杯でした。
Brett Saisonとは?
セゾンは、ベルギー南部の農村地帯をルーツに持つビール。
一般的には、
ドライ
軽快
フルーティー
スパイシー
といった特徴を持ち、暑い季節にも飲みやすいスタイルです。
そこにCrimson Pillarでは**Brettanomyces(ブレタノマイセス)**という酵母を使い、さらに樽熟成を施しています。
Brettを使ったビールでは、果実だけでなく、干し草、革、土、木などを思わせる独特の複雑な香りが現れることがあります。
そこへさらにストロベリー。
つまり、
普通の爽快なセゾンとはかなり違う方向
に振ったビールです。
ストロベリーから、木、そしてスパイスへ
実際に飲んでみます。
まず感じるのは、ストロベリー。
メニューにも「いちごの甘酸っぱい香り」とありますが、いちごジャムのようなベタッとした甘さではありません。
果実のニュアンスを感じたあとに、自分にはかなりウッディーな香りが印象に残りました。
シダーウッドを思わせるような木質感。
ただし荒々しい木の香りではなく、樽熟成によって角が取れたような、まろやかなニュアンスです。
店の説明にはさらに、
バニラ
アプリコット
オレンジ
赤肉メロン
胡椒
コリアンダー
といった表現も。
一口の中で、
果実→木→スパイス
と少しずつ印象が変わっていく。
100mlを一気に飲むのではなく、ゆっくり味わいたくなるビールでした。
セゾンなのに、飲み終わると「酒を飲んだ感」がある
もうひとつ面白かったのが、飲み終わった後。
自分の中ではセゾンというと、
暑い日に喉の渇きを潤すようにゴクゴク飲むビール
というイメージがあります。
ところがCrimson PillarはABV7%。
100mlしか飲んでいないのに、
「ああ、ちゃんとアルコールを飲んだな」
という感覚が残ります。
7%なので、とんでもないハイアルコールというわけではありません。
それでも、
ストロベリー
Brett
樽熟成
7%
が重なることで、軽快なセゾンとはかなり違う飲み応え。
自分が持っていた「セゾン像」を少し崩してくれる一杯でした。
レコードを聴きながら飲む。この空間がHopbeat Recordsの個性
Hopbeat Recordsへ行って面白かったのは、ビールだけではありません。

壁を埋め尽くすアナログレコード。
赤く光る「RECORDS」のサイン。
大量のWCB缶が並ぶ冷蔵ケース。
立ち飲みのカウンター。
一つひとつは別々の要素なのに、この小さな店の中では妙にまとまっています。
新宿にも「音楽+ビール」を楽しめる場所はありますが、Hopbeat Recordsはもっと小さくて密度が高い。
レコードショップの片隅でWCBを飲んでいるような距離感。
そこがこの店の面白さだと思います。
「座れない」のではなく、「長居しなくていい」
椅子はありません。
店も狭いです。
だから、
「落ち着いて2時間飲みたい」
という人には向かないかもしれません。
でも東京駅という場所では、それが逆に使いやすい。
仕事帰りに一杯。
待ち合わせまで一杯。
新幹線の時間まで一杯。
30分だけでも成立します。
目的地になるビアバーというより、東京駅でできる上質な寄り道。
自分にはそんな印象でした。

グラスも販売しています。
店舗情報|Hopbeat Records
店名
Hopbeat Records WCB
ホップビート・レコーズ
運営
West Coast Brewing
オープン
2025年6月20日
住所
〒100-0005
東京都千代田区丸の内1-5-1
新丸の内ビルディング B1F
最寄駅
JR東京駅
アクセス
東京駅・丸の内北口から徒歩約2分
地下通路直結
大手町駅からも直結
TAP数
6TAP
スタイル
訪問時はスタンディングのみ
ビアフライト
3種飲み比べ 2,100円
※訪問時
※GMT+9、スタウトなど一部液種は75ml
缶ビール販売
あり
店内飲用・テイクアウト対応
ドラフト持ち帰り
グラウラー等への量り売り可
営業時間
月〜土 11:00〜23:00
L.O.22:30
日曜 11:00〜21:00
L.O.20:30
定休日
無休
※年末年始などを除く
支払い
キャッシュレス決済のみ
現金不可
クレジットカード、電子マネー、QRコード決済対応
電話番号
03-6206-3737
公式サイト
Hopbeat Records公式ページ
※営業時間、価格、ビールのラインナップ等は変更される場合があります。訪問前に公式情報をご確認ください。 (West Coast Brewing)
まとめ|東京駅で「何を飲むか」より、「何に出会うか」
東京駅周辺には、クラフトビールを飲める店がたくさんあります。
Hopbeat Recordsの面白さは、その中で一番タップ数が多いことでも、安いことでもありません。
6TAPを眺める。
レコードを聴く。
冷蔵庫を覗く。
そして、メニューの中に知らないビールを見つけたら、それを一杯だけ試す。
今回の自分にとって、それが100ml・1,800円のCrimson Pillarでした。
東京駅を利用するたびに必ず寄る必要はない。
でも、
「今日は何か変なの、つながってないかな」
と、ときどき覗きたくなる。
Hopbeat Recordsは、そんな店だと思います。
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