道後温泉本館のすぐそば。
愛媛・道後の老舗酒蔵、水口酒造が醸造する「道後ビール」を樽生で楽しめる直営店が、道後麦酒館です。

東京でも道後ビールを見かける機会はあります。

自分の中では長らく、
坊っちゃんビール
漱石ビール
マドンナビール
のぼさんビール
の4種類というイメージでした。
ところが現地のメニューを見ると、
湯上りIPA。
道後APA。
道後柚子・エール。
え、道後ビールってIPAまで造っていたの?
今回はそこに一番驚きました。
せっかく道後まで来たのだから、瓶でも比較的見かける定番ではなく、選んだのは「湯上りIPA」。
道後温泉の真横で飲むには、これ以上ない名前のビールです。
道後ビールを造る水口酒造は1895年創業
道後ビールを造っている水口酒造は、1895年(明治28年)創業。

清酒「仁喜多津」の醸造から始まり、1996年にビール製造免許を取得。同年に「道後ビール」の醸造と道後麦酒館の営業をスタートしました。つまり2026年は、道後ビール誕生からちょうど30年です。
最近のクラフトビールブームから生まれたブルワリーではなく、地ビール解禁期から造り続けている古参。
現在も、清酒「仁喜多津」を生んだ水を仕込みに使い、麦芽やホップの選定から製法まで日本酒造りの技術を生かして醸造しています。
坊っちゃん、漱石、マドンナ、のぼさん。定番4種も実は全部違う
道後ビールはネーミングだけでも松山らしい。
でも面白いのは、4種類の名前を変えただけではなく、ビアスタイルそのものを造り分けていることです。
| ビール | スタイル | ABV | 訪問時IBU | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 坊っちゃんビール | ケルシュ | 5.0% | 24 | フルーティーでキレのある淡色エール |
| 漱石ビール | スタウト | 5.0% | 32 | ロースト麦芽の香ばしさと苦味 |
| マドンナビール | アルト | 5.0% | 26 | 琥珀色で、モルトの香ばしさとほのかな甘味 |
| のぼさんビール | ヴァイツェン | 5.0% | 22 | 小麦を使い、バナナを思わせる甘い香り |
ケルシュはドイツ・ケルン、アルトはデュッセルドルフを代表する伝統的なエール。ヴァイツェンは小麦麦芽と酵母由来のフルーティーな香りが特徴で、スタウトだけは黒くロースティー。
つまり定番だけでも、かなり振り幅があります。
水口酒造の公式通販でも現在、この4種類はいずれも販売されています。
現地で見つけた「定番4種以外」
訪問時のメニューには、定番に加えてこんなビールがありました。

湯上りIPA
Session IPA/ABV5.0%/IBU50
道後APA
American Pale Ale/ABV5.5%/IBU39
道後柚子・エール
Fruits Beer/ABV5.0%/IBU10
定番4種がケルシュ、スタウト、アルト、ヴァイツェンという比較的クラシックな構成なのに対し、こちらは一気に現代のクラフトビールらしいラインナップ。
特に「湯上りIPA」は現在も公式商品として販売されており、定番4種だけのブランドではなくなっています。
昔から知っている地ビールが、知らないうちに進化していた。
現地へ来て初めて気づいた発見でした。
選んだのは「湯上りIPA」
今回飲んだのはこちら。

道後ビール 湯上りIPA
Style:Session IPA
ABV:5.0%
IBU:50
セッションIPAとは?
IPAらしいホップの香りや苦味を残しつつ、アルコール度数やボディを軽くして、続けて飲みやすくしたスタイルです。
通常のIPAが6~7%以上になることも珍しくないのに対し、セッションIPAでは度数を抑えることが多い。
ただし「湯上りIPA」はABV5.0%。
その意味では、セッションIPAとして極端に軽い設計ではありません。
水口酒造自身も「爽やかですっきりとした苦味」「ライトな飲み口」と説明しています。
飲んでみると、意外とちゃんとIPA
色は明るいゴールド。
香りは華やかで、苦味もしっかり。

ただ、個人的には、
セッションIPAと聞いて想像するほど、極端に軽い感じではありませんでした。
もちろん重たいIPAではない。
でも「水のようにスルスル」というより、ちゃんとビールを飲んでいる満足感があります。
IBU50なので苦味も存在感あり。
「IPAらしさをかなり削って軽量化したビール」ではなく、飲みやすくまとめたIPAという印象です。
そして、このビールだけは味だけで評価するのも少し違う気がします。
道後温泉を出て、身体がまだ火照っているところに冷えた「湯上りIPA」。
名前と場所までセットになっている。
これは現地で飲む方が絶対に楽しいビールです。
ハーフ330ml、フル670ml。サイズは結構豪快
訪問時、店頭のテイクアウトメニューには、
HALF 330ml 700円
FULL 670ml 1,300円
とありました。

それにしても、
ハーフで330ml。
フルで670ml。
一般的なクラフトビール店の「ハーフ」よりかなり大きい。
670mlなら大瓶一本に近い量です。
価格は道後温泉本館の目の前という立地も含めて、いわゆる観光地価格。
ただ、量自体はしっかりあります。
定番4種セットは「ちょっと飲み比べ」ではない
訪問時には、定番の
坊っちゃん
漱石
マドンナ
のぼさん
をまとめて飲める道後ビール4種セット 2,600円もありました。
しかも小さなテイスティンググラスではありません。
ハーフ330ml×4杯。
合計すると1,320ml。
店頭表示のハーフを4杯単品で買えば2,800円なので、セットなら200円お得です。
ただし一人で「ビアフライトでも試そうかな」という感覚で注文すると、なかなかの量。
これは二人でシェアするのも良さそうです。
サク飲みできるのが観光途中にはありがたかった
訪問当時の道後麦酒館は、使い方を選べるのがよかった。
入口側には、道後ビールを気軽に飲めるスタンディングのビアバーエリア。
一方で、腰を据えて愛媛の料理とビールを楽しめる食事エリアもありました。
自分はビール一杯だけ。
プラカップで受け取って、さっと飲んで次へ。
人気観光地では「一杯だけ飲みたいのに食事客と同じ列に並ぶ」ということもありますが、それをしなくて済むのがありがたい。
クラフトビール巡りの途中にも使いやすい店でした。

東京でも買える。でも現地で選ぶなら限定系
水口酒造の道後ビールは、松山以外でも購入できます。
公式取扱店には東京の「シン・エヒメ(KITTE丸の内)」や「香川・愛媛せとうち旬彩館」も掲載されています。(水口酒造公式オンラインショップ)
だから、定番4種類を買うだけなら必ずしも道後まで行く必要はありません。
現地でタップを眺めて、
「今日は何がつながっているんだろう」
と探す方が面白い。
今回の自分にとって、それが湯上りIPAでした。
次に行ったときに別の限定醸造があれば、迷わずそちらを選びます。
店舗情報|道後麦酒館
店名
道後麦酒館
運営・醸造
水口酒造株式会社
住所
愛媛県松山市道後湯之町20-13
最寄駅
伊予鉄道 道後温泉駅
アクセス
道後温泉駅から約250m、徒歩約5分。
道後温泉本館から
すぐ隣
営業時間
15:00~22:00
ドリンクL.O.21:45
※2026年8月時点の掲載情報。
訪問時のビールラインナップ
メニュー上7種類
ゲストビール
訪問時はなし。道後ビールのみ
訪問時サイズ
HALF 330ml
FULL 670ml
訪問時の4種セット
定番4種・ハーフ×4杯 2,600円
スタンディング
訪問時あり
テラス
訪問時には確認できず
フード持ち込み
確認できず
決済
PayPay対応。現在はクレジットカード、交通系電子マネー、iD、QUICPay、d払い、楽天ペイ、au PAYなどの掲載もあります。
駐車場
専用駐車場なし。
公式サイト
水口酒造公式サイト
直営店情報
水口酒造「直営店・取扱店一覧」
まとめ|ここで飲みたいのは、「道後に来たからこその一杯」
道後ビールそのものは、東京でも買えます。
だから、わざわざ道後まで来て同じ瓶を飲むだけなら、「現地へ行く意味」はそこまで大きくないのかもしれません。
でも、温泉を出て数分。
その日のタップを眺め、見たことのない道後ビールを見つけて一杯だけ飲む。
今回なら、それが「湯上りIPA」でした。
旅先のビールは、味だけでなく「どこで飲んだか」まで残る。
道後温泉のすぐ横にこの店がある意味は、たぶんそこだと思います。


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